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2026-04-27
お役立ちコラム

不器用さは「脳の設計図」の個性

「どうしてこの子だけ?」と感じたときに

「走るとよく転ぶ」「ボタン留めや縄跳びが苦手」「字を書くと枠からはみ出してしまう」——そんなお子さまの姿に、「どうしてうちの子だけうまくできないのだろう」と感じたことはありませんか。周りのお子さまと比べてしまい、不安になったり、「もっと練習させた方がいいのでは」と悩まれたりすることもあるかと思います。
けれど、こうした「極端な不器用さ」の背景には、発達性協調運動障害(DCD)という発達の特性が関係していることがあります。これは決して本人のやる気や努力、ご家庭での関わり方の問題ではありません。その子なりの脳の働き方の違いによって生じているものです。

 動きをつくる「脳の設計図」の違い
 私たちは普段、コップを持つときや歩くとき、「どれくらいの力で、どのように動けばよいか」を無意識に予測しながら体を動かしています。これは脳の中で「設計図」を描くような働きによるものです。
 しかし、DCDのあるお子さまは、この「事前の予測」を立てることが少し苦手で、その場その場の感覚に頼りながら動いていることが多いと考えられています。たとえるなら、慣れていない道を毎回初めて運転しているような感覚に近いかもしれません。一つひとつの動作に集中しなければならないため、とても疲れやすくなることもあります。

 見えにくいけれど身近な特性
 発達性協調運動障害は決して珍しいものではなく、一定の割合のお子さまに見られるといわれています。また、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)といった他の発達特性と重なって見られることも少なくありません。
 ただし、外見からは分かりにくいため、「不器用」「練習不足」と受け取られてしまうこともあります。お子さま自身も、「どうして自分だけできないのだろう」と感じてしまうことがありますが、実際には脳の中で新しいつながりを作りながら、一生懸命に成長している途中にあります。

 「練習」よりも「やりやすさ」を大切に
 こうした特性を理解したとき、大切にしたいのは関わり方の視点です。「できないことを繰り返し練習させる」ことだけでは、お子さまにとって負担が大きくなってしまうことがあります。
 それよりも、「どうすればやりやすくなるか」を考え、環境や道具を工夫していくことが大切です。たとえば、着替えが難しい場合には扱いやすい衣服を選んだり、書くことが負担になっている場合には持ちやすい筆記用具を使ったりすることで、取り組みやすさが大きく変わります。
 また、動作を伝えるときには、「しっかりやってね」といった抽象的な声かけではなく、「ここに手を置こうね」といった具体的でわかりやすい伝え方にすることで、理解しやすくなります。

 「できた!」が自信を育てる
 お子さまは、「できない経験」が続くと、自信を失いやすくなります。だからこそ、「できた!」と感じられる経験を積み重ねていくことがとても大切です。
 小さな成功でも、それをしっかり認めてもらえることで、「やってみよう」という気持ちが育っていきます。そしてその積み重ねが、少しずつ新しい力へとつながっていきます。

 ご家庭でできるあたたかな関わり
 日々の生活の中で、「どうしてできないの?」と問いかけたくなる場面もあるかもしれません。けれど、その背景にある理由を知ることで、「どうすればやりやすくなるかな」という視点に変えていくことができます。
 お子さまは今、それぞれのペースで成長しています。すぐに結果が見えなくても、その一歩一歩には意味があります。周囲の理解と支えがあることで、お子さまは安心して挑戦し、自分の力を伸ばしていくことができます。

 一人で抱え込まないでください
 お子さまのことで悩むとき、「どうすればよいのだろう」と迷うこともあるかと思います。そんなときは、どうか一人で抱え込まず、周りの人や専門機関に相談してみてください。
 私たちは、ご家族とともにお子さまの成長を支える「伴走者」でありたいと考えています。お子さまの「できない」の奥にある理由を一緒に見つめながら、その子に合った関わり方を一緒に見つけていきましょう。

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