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2026-07-10
お役立ちコラム

「それって宇宙語?」と思ったときに

「それって宇宙語?」と思ったときに

幼児の“ジャーゴン”に隠れている、ことばの芽生え
「宇宙語みたい…」と感じるあの時期

「ずっと何か話しているけれど、意味がよくわからない」
「会話しているみたいだけど、言葉になっていない」
 そんなお子さまの様子に、少し戸惑った経験はありませんか。
 このような発話を「宇宙語」とも呼ばれることもありますが、発達の視点では「ジャーゴン(会話様喃語)」と呼ばれています。大人の話し方のようなリズムや抑揚を持ちながらも、まだはっきりとした単語としては成立していない発話のことを指します。
 一見すると意味がないように感じられるかもしれませんが、実はこの時期の発話には、子どもなりの大切な意味があります。

 ジャーゴンは「話す力」を育てる過程
 子どもの言葉は、ある日突然話せるようになるわけではありません。
「あー」「うー」といった喃語から始まり、音を組み合わせ、やがて意味のある言葉へとつながっていきます。
 ジャーゴンは、その途中に見られる自然な段階の一つです。
 この時期の子どもは、
・ことばのリズムや抑揚
・話すときの間の取り方
・相手に向かって伝えようとする姿勢
といった、“会話の土台”となる力を育てています。
 つまりジャーゴンは、「まだ話せない状態」ではなく、“話す準備が進んでいる状態”と捉えることができます。

 同じような音を繰り返す理由
 この時期のお子さまは、同じような音やフレーズを繰り返すことがよくあります。これは単なる癖ではなく、自分の出した音を確かめたり、発声をコントロールしたりするための大切なプロセスです。
 また、「話すと大人が反応してくれる」という経験も、言葉の発達には欠かせません。やり取りの中で、「伝えると楽しい」「通じると嬉しい」という感覚が育っていきます。
 こうした繰り返しは、いわば子ども自身の中で行われている“ことばの練習”なのです。

 気になるのは「ことば」よりも「やり取り」
 保護者の方からよくいただくご相談に、「ジャーゴンが多いのは大丈夫でしょうか?」というものがあります。ここで大切なのは、「ジャーゴンがあるかどうか」だけを見るのではなく、コミュニケーション全体の発達を見ることです。
例えば、
・視線が合うか
・指さしで共有しようとするか
・名前を呼ばれて振り向くか
・大人とのやり取りを楽しんでいるか
といった姿は、言葉の発達の土台としてとても重要です。
 ジャーゴンが見られること自体は、多くの子どもに共通する発達の一過程です。ただし、こうしたやり取りが少ない状態が続く場合には、必要に応じて専門機関に相談することも一つの選択となります。

 発達に課題のあるお子さまとの関係について
「もしかして発達に何らかの課題があるのでは?」と心配される方も少なくありません。結論として、ジャーゴンがあることだけで発達に課題があると判断することはできません。
 言葉の発達には個人差があり、
・ことばの遅れ
・理解のゆっくりさ
・コミュニケーションの取り方の違い
 など、さまざまな要因が関係します。
 大切なのは、「一つの行動だけ」で判断するのではなく、発達全体を丁寧に見ていくことです。気になる点がある場合には、小児科や言語聴覚士など専門家と一緒に見ていくことで、より安心して子育てを進めることができます。

 ことばを育てる関わり方のヒント
 この時期に何より大切なのは、周囲の関わり方です。ジャーゴンに対して、意味を求めすぎる必要はありません。それよりも、「話しているね」「楽しいね」と、気持ちに寄り添って応えることが大切です。
 さらに、子どもの発話に対して、少しだけ意味を添えて返すことも効果的です。
 例えば、子どもが何かを見ながら話しているときには、「車が走ってるね」「大きいね」などと、状況に合った言葉を添えてみましょう。
 このようなやり取りの積み重ねが、音と意味を結びつける力を育てていきます。

 「わからない言葉」は成長のサイン
 子どもの発する言葉がわからないと、不安になるのは自然なことです。しかし、その“わからなさ”の中には、確かな成長が隠れています。
 ジャーゴンは、「伝えたい」「関わりたい」という気持ちが芽生えている証です。そして、その気持ちこそが、ことばの発達を支える最も大切な力になります。

 今の姿をそのまま受け止める

 子どもの発達は、一人ひとり違ったペースで進みます。周囲と比べるのではなく、「今どんな力が育っているのか」という視点で見ていくことが大切です。ャーゴンという一見不思議な発話も、ことばへとつながる大切な一歩です。
 その声に耳を傾け、やり取りを楽しみながら関わっていくことが、やがて豊かなコミュニケーションへとつながっていきます。
焦らず、比べず、お子さまの“今”を大切にしていきましょう。

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