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2026-03-27
お役立ちコラム

幼児の分離不安

幼児期の分離不安

だれもが経験する自然な心の成長
  幼児期には、保護者と離れる場面で涙が出たり、不安そうな様子が見られたりすることがあります。これは「分離不安」と呼ばれ、多くの子どもに見られる発達の一つです。大好きな人と離れることが寂しいと感じるのは、とても自然な心の動きです。
 新しい園生活や環境の変化がある時期には、特に強く表れることもあります。分離不安は、保護者との信頼関係が育っている証でもあり、必ずしも心配しすぎる必要はありません。ただし、長く続いたり生活に大きな影響が出たりする場合には、子どもが安心できる関わりや環境づくりが大切になります。
 また、自閉スペクトラム症(ASD)や注意の特性など、発達に特徴のあるお子さまでは、変化への不安や感覚の敏感さなどから、分離不安が強く見られることがあります。これは「甘え」や「育て方の問題」ではなく、子ども一人ひとりの感じ方や理解の仕方の違いによるものと考えられています。

見通しが持てると安心しやすくなります
  幼児は「これから何が起こるのか」が分かると、安心して行動しやすくなります。毎日の生活の流れをできるだけ同じようにすることや、分かりやすく伝えることが、不安をやわらげる助けになります。
 登園時には、「ここでバイバイをする」「ぎゅっとして手を振る」など、短く決まった見送りの方法を続けることも効果的です。また、「お昼ごはんのあとにお迎えに来るよ」「お昼寝が終わったら会えるよ」など、子どもがイメージしやすい言葉で伝えると安心につながります。
 発達に特徴のあるお子さまには、言葉だけでなく、絵カードや写真などを使って予定を示すと、より安心しやすくなることがあります。

 少しずつ慣れていく経験が大切です
  不安が強いときは、無理に長時間離れるよりも、短い時間から少しずつ慣れていくことが大切です。最初は数分から始め、できた経験を積み重ねながら、徐々に時間を延ばしていくとよいでしょう。
  新しい環境では、最初は保護者と一緒に過ごし、少しずつ離れる時間を増やしていく「慣らし」の方法も安心につながります。 
  発達に特徴のあるお子さまの場合は、慣れるまでに時間がかかることもありますが、小さな成功を大切に積み重ねていくことで、少しずつ自信が育っていきます。
  この方法は「みらい」での療育にも取り入れています

再会の時間が心の支えになります
  離れたあとに、温かく迎えてもらえる経験は、次の分離を乗り越える力になります。お迎えの際には笑顔で迎え、「待っていてくれてありがとう」「よく頑張ったね」と伝えてあげましょう。
また、「寂しかったね」「会えてうれしいね」と気持ちに寄り添う言葉をかけることで、子どもは安心して感情を整理できるようになります。
 言葉で気持ちを伝えることが苦手なお子さまには、大人が気持ちを代わりに言葉にしてあげる関わりが安心につながるといわれています。

 保護者は子どもにとっての安全基地
  発達心理学では、保護者は子どもにとって「安全基地」の役割を担うと考えられています。保護者は子どもにとって「安心できる場所」。その存在があるからこそ、子どもは少しずつ新しい世界へ向かうことができます。日頃から温かく関わり、不安なときには寄り添ってあげることが大切です。
 また、お気に入りのおもちゃやブランケットなど、安心できる物を持つことで気持ちが落ち着く子もいます。こうした「移行対象」は、保護者の存在を感じる手がかりとなり、環境への適応を助けることがあります。

子どもの気持ちに寄り添うことが何より大切です
  分離不安は、子どもが成長していく中で見られる大切なサインです。焦らず、その子のペースを大切にしながら関わることが安心につながります。
発達に特徴のあるお子さまであっても、環境を整え、安心できる経験を重ねていくことで、少しずつ分離への力は育っていくことが多いといわれています。
支援者と保護者が協力しながら見守ることで、子どもは安心を土台として、自分の力で一歩ずつ成長していきます。
 分離不安は、決して特別なことではありません。子どもの心の成長を温かく支えながら、一緒に歩んでいきましょう。

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